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(1)原木選び・・・くすのき、けやき、きり等をおもに国内から仕入れる。 |
(4)下絵作成・・・材料の寸法内に図柄の構図を考え木炭で和紙に描く。 |
(5)穴あけ・・・下絵を材料に写し、図柄のおよそのアウトラインにそって、糸ノコ機で不要部分を切り取る。 |
(6)荒おとし・・・図柄全体の不要な部分15〜16種類の荒けずりノミをゲンノウでたたき彫り崩して、りんかくの大体の目安をつける。 |
(8)荒彫り・・・図柄全体をさらに70種類のノミを使い分け彫り下げ表面をより量感敵的にする。 |
(9)小彫り・・・さらに彫刻を浮き上がらせるため、細い荒彫りノミ200数本を使う。 |
※ここまでの工程を裏面も同様に仕上げる。表を鏡で写し、穴空けしたすき間から表と裏がずれないように彫っていく。 |
(10)仕上げ彫り・・・細かい部分をちみつに彫り、ペーパー類は、一切使用せずにノミのタッチだけで仕上げる。 |
※職人はふつう100〜120本のノミを使い分け約200本持っている。(1本2,000円〜5,000円ぐらい)
※作品により、工程段階に塗りが入ったり異なる場合がある。
※完成日数(欄間:二枚一組で約3ヶ月、獅子頭:約3週間) |
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・荒落しから仕上げ彫りまで使用するのみは約30種以上
井波彫刻を語るうえで、欠かすことのできないものがその"道具"。特に、のみは荒彫り用といわれるものから仕上げ用の彫刻刀にいたるまで、作家自らが加工制作し、その数も作家それぞれながら、30種類はゆうに超えます。
その代表的なのみを紹介いたします。
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荒彫り用に使用されるもので、刃物が厚く、柄の先端を保護するために頭金をはめてあります。 |
平ノミ |
3〜45mm |
刃が水平で刃裏が平面、表に耳があります。 |
大まかな彫刻や平面、垂直、直線に用います。 |
内丸ノミ |
3〜45mm |
刃が円孔状で刃裏が凸状にカーブしています。 |
円孔や凹面の溝を彫ります。 |
外丸ノミ |
3〜45mm |
刃は円孔状で刃裏が凹状にカーブしています。 |
主に垂直に凹面を彫り込みます。 |
平曲ノミ |
4.5〜18mm |
首の曲がっている平ノミ。 |
平ノミが使用できない奥深い曲面を彫ります。 |
内丸曲ノミ |
4.5〜18mm |
首の曲がっている内丸ノミ。 |
内丸ノミを使用できない奥深い曲面を彫ります。 |
甲丸ノミ |
20〜36mm |
平ノミの耳を丸めて刃先が円孔状になっています。 |
主に荒落とし。 |
箱ノミ |
15〜36mm |
平ノミの両耳が直角に曲がって箱状になっています。 |
木目に逆らわない様に彫り込むときに用います。主に荒落とし。 |
仕上げ彫刻に使用されるもので、刃物が薄く、柄に頭金はついていません。 |
平刀 |
1.5〜30mm |
平ノミの甲の肉を薄くしたもの。 |
仕切りや表面を彫ります。 |
内丸刀 |
1.5〜30mm |
内丸ノミの甲の肉を薄くしたもの。 |
円孔や凹面の溝を彫ります。 |
外丸刀 |
3〜24mm |
外丸ノミの甲の肉を薄くしたもの。 |
主に垂直に凹面を彫ります。 |
平曲刀 |
6〜12mm |
首の曲がった平刀。 |
平刀の使用できない奥深い曲面を彫ります。 |
内丸曲刀 |
3〜24mm |
首の曲がった内丸刀。 |
内丸刀の使用できない奥深い曲面を彫ります。 |
三角刀 |
3〜15mm |
刃が三角になっています。 |
薬研彫り。 |
三角曲刀 |
3〜15mm |
刃の曲がった三角刀。 |
三角刀が使用できない奥深い曲面を彫ります。 |
切出小刀 |
3〜18mm |
刃先と刀背が35゜〜60゜の角度で、刀身は扁平です。 |
切り込み、薬研彫り、片切り彫り。 |
差しノミ |
40〜60mm |
大きな平刀。 |
欄間の覆輪の内側を彫ります。 |
甲丸刀 |
6〜24mm |
平刀の耳を丸めて刃先が円孔状になっています。 |
平刀で表現できない微妙な彫りのところに用います。 |
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材料 |
特徴 |
主に使われる彫刻品 |
主な仕入先 |
クス |
色や香りもよく、全体として比較的均一した材料を手に入れる事ができる。
ノミの切れもよいので細かい作業の多いものに適している。 |
欄間・置物等 |
九州 |
ケヤキ |
木目が美しく、古くから価値のある木とされている。 |
天神様・置物等 |
九州 |
キリ |
ひび割れが少なくて狂いが少ない。軽い。 |
獅子頭等 |
富山県
五箇山 |
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